東京都済生会中央病院脳血管内治療科
東京都済生会中央病院脳血管内治療科
脳浮腫
死んだ細部が水を含み、脳がむくみます。むくむことで周囲の生き残った細胞を圧迫し、さらに病状が悪化します
突然の右麻痺、失語のため救急搬送された方です。残念ながら搬送されたときすでに時間が経過してしまい、脳梗塞に陥っており、t-PAやカテーテル治療が行なえませんでした。脳が広範囲に脳梗塞なり(左脳の黒い部分)、死んだ細胞が水を含んで浮腫を起こします。3枚の写真中央の黒い部分は脳室と呼ばれる水がたまる部屋です。中央、右の写真と脳室が脳浮腫によって押しつぶされています。脳浮腫は脳梗塞発症2-3日後から増強し、1週間程度続きます。脳の中には脳幹と呼ばれる呼吸中枢をはじめ、生命に直結する部位があります。ここに影響が及ぶと命に関わります。脳ヘルニアといいます。点滴でむくみをとったり、場合によっては開頭する(頭蓋骨をはすして、脳圧の逃げ道を作る)事があります。重症です。
出血性梗塞
心原性脳塞栓等により大きな血管が閉塞し、脳梗塞に陥ると、血管を作っている細胞も死んでいます。その後つまった血のかたまりが、溶けて流れると、血管から血液がしみ出します。梗塞部位に出血しますので、出血性梗塞とよびます。
左の写真は右半球が脳梗塞に陥り、黒い部分ができています。中央の写真は脳室が脳浮腫によって押しつぶされているとともに、白い部分が現れています。出血している部分です。出血も程度がひどければ、右の写真のように周囲の圧迫も強くなります。
こうならないように、脳梗塞が広範囲に及ぶ前に緊急治療が必要です。
目次
脳梗塞の緊急再開通治療
頸動脈狭窄症
脳動脈瘤の脳血管内治療
脳卒中の予防